サラリーマン生活にピリオドを打ち、
第二の生活に入る前にやっておかなくてはいけないことは、数え挙げれば幾つもあります。
しかしそれら全てをこなすには、それなりの時間と労力が掛かります。
そこで私は、これだけはどうしてもという項目をピックアップして、
それらだけを集中的に行うことにしました。
先ずは、自分の家族が暮らしていくためには一体いくら必要かということです。
そしてもう一つが、退職後は年金に全てを依存する生活になるので、
それだけで充分に家計を維持していけるかどうかの見通しを立てることです。
支出については、会社を辞めても生活の形態やクオリティーを変えないとすれば、
基本的には、これまでと同じになるはずです。
家計簿があればそれを見ればよいのですが、
残念ながら、家計簿というものはこれまで一度も付けたことがありませんでした。
しかし、大変幸運だったことに、私の家では、
全ての支出を一つの銀行口座からにしていたので、
その口座の通帳を見ればいくら使ったかは一目瞭然でした。
そこで、この通帳の記録を基に、エクセルを使って直近の1年間の支出をまとめた表を作り、
一月当たりの平均支出や年間の総支出を把握することが出来ました。
支出が分かれば次は収入です。
私の場合、収入は、当面の失業保険と年金のみです。
しかし、失業保険の給付期間はそれほど長くはないし、
また、全ての年金の支給が受けられるのは、退職当時私はまだ63歳でしたので、
2年ほど先の話になります。
こうした状況を踏まえて、会社を辞めた後2年後までと、
それ以降の収入を調べることにしました。
先ず私はハローワークへ行き、自分が受けられる失業給付金の額を確認しました。
本来は退職後に行く所なのですが、事前に話を聞かせてもらいました。
給付期間は、退職の理由が自己都合か会社都合かで随分違うことと、
失業給付を受けるためには、毎月最低2回の就職活動が必要だということを知りました。
私の場合は会社都合による退職の予定でしたので、その場合の給付額を教えてもらいました。
年金については、最寄りの年金事務所に行き確認しました。
事前に電話をすると、年金手帳を持って来るように言われたので、
会社にその旨を伝えて、一時返却をしてもらい、
年金事務所に行く際に持参しました。
私の場合は、収入がなければ、60歳から一部年金の支給を受けられるとのことでした。
それは、特別支給の老齢厚生年金と呼ばれるもので、月額にすると1万円にも満たない額でした。
ただし、失業給付を受けた場合には支給停止になると聞きました。
65歳からは老齢基礎年金と老齢厚生年金が受け取れるようになるので、
その額を教えてもらいました。
しかし、老齢厚生年金の正確な額については、
勤めている会社が加入している厚生年金基金でないと分からないとのことでしたので、
後日、厚生年金基金に出向き、正確な額を確認しました。
その際、基金から支給される基金年金は、国から支給される年金と違い、
失業給付を受けていても支給されるとのことで、
担当の方からは必ず手続きをするようにと言われました。
銀行口座の通帳から割り出した我が家の支出額と、
失業給付金並びに年金からの収入額を調べた結果、
退職後の家計は、最初の1年間は失業給付金と基金年金により若干黒字でしたが、
2年目は失業給付がなくなるので、月間10万円程度の赤字となり、
2年目以降はほぼとんとんといった結果となりました。
また、赤字の1年間については、
貯金を切り崩して遣り繰り出来る見通しを立てることが出来たので、
私はこの結果を踏まえて、会社からの申し出に同意し、退職を決意しました。