退職するということは、自分がこれまで受け持っていた業務を、
別の誰かに引き継ぎしなければいけません。
しかも、別の部署に異動したわけではありませんから、
引き継ぎ後に業務の内容をあらためて説明することはできないのです。
自分が辞めても職場がうまく機能するよう、退職時の引き継ぎは丁寧に行いましょう。
私が退職を決めて最初に取り組んだことは、
自分が受け持っていた業務を箇条書きにすることです。
それが終わったら紙を2枚用意します。
1枚目は書き出した業務をジャンルごとに分け、2枚目は業務を時系列順に並べます。
特に毎年同じ内容の業務がある人は、2枚目のようなタイムスケジュールがあると親切でしょう。
私は以上の事柄をパソコンに打ち込み、職場の共有フォルダにデータを保存したあと、
プリントアウトしたものをデスクに残してきました。
自分が使っていたマニュアルは、そっくりそのまま職場に置いていきます。
さすがに個人的な予定を記したメモは持ち帰りましたが、他はファイルごと残して退職しました。
これは次の担当者へ引き継ぐ意味もありますし、
職務上知り得た個人情報を持ち帰らないという意味もあります。
退職すればもう会社の一員ではないため、
取引先を書き込んだ連絡帳などを持っているわけにはいきません。
たとえ持ち帰っても、シュレッダーにかける手間が発生してしまうため、
仕事の資料はオフィスに置いてくるのが得策でしょう。
体調を崩すなどして、急に退職が決まったときは、
やりかけの仕事をはっきり後任者へ伝えておくのが重要です。
もし、取引先に連絡を入れなければいけないのに放置していたり、
期限のある提出書類を仕上げないまま退職すると、会社に大変な迷惑がかかってしまいます。
私は上司との折り合いが悪いせいで退職を決意したので、
会社に対してプラスになることをしようとは思っていませんでした。
しかし「立つ鳥跡を濁さず」ということわざもあります。
社会人としてのマナーと考え、未完の業務については一層丁寧に引き継ぎしました。
退職時、お世話になった取引先や顧客に一報を入れることも忘れてはいけません。
これまでのお礼を述べるとともに、後任者が誰になったのかを伝えましょう。
相手が不安に思うことの無いよう、できれば後任者とともに挨拶に行くのがベストです。
退職の理由は人それぞれですが、このように引き継ぎ作業を丁寧に行うことで、
好印象を残しつつ辞めることができます。
「どうせ辞めるから」と投げやりにならず、
各所に迷惑をかけることの無いようスマートに引き継ぎしましょう。