2度目の受給に立ちはだかる壁

私は中小企業で人事の仕事をしている関係上、

健康保険の傷病手当金受給に関しては、

会社の立場として記入する書類作成や

協会けんぽへの問い合わせなどの受給支援、

受給を希望する方の相談などいろいろな形で関わってきました。

というわけで、手続きをする側の人間として今回書かせていただきます。

 

私の狭い経験の中からですが、傷病手当金はほとんど

うつ病などの精神的疾患から長期の休業に入らなくてはならなくなった方が

受給されるケースになると思います。

 

会社によって休職できる期間は違ってきますが、

最初は有給休暇を使って、使い果たしたら傷病手当金を使うパターンがほとんどでした。

 

また、受給を始めるとほぼ同時に離職するというパターンもありましたが、

後者よりも圧倒的に前者の方が多数おられますので、

前者の場合について書いていきたいとおもいます。

 

ちなみに、後者の受給しながら離職というパターンですと、

雇用保険との併給ができませんので、必ず離職される方には

ハローワークで基本手当の受給期間延長の申請をしてもらうように伝えておく必要があります。

これをしないと気付かずに雇用保険の受給期間が過ぎてしまい、

もらえるはずだった90日~150日分の基本手当(失業保険)がもらえなくなってしまう

可能性が出てきてしまいます。

 

 

休職制度は会社の任意の制度となります。

もし休職制度が会社にあるという事であれば、

何か月休むことができて、

治癒できなければどうなって、

休職中に会社から給与があるのか無いのか、

といった諸々が就業規則またはその別則として存在していることが多いかと思います。

 

ちなみに、話は逸れますが、一つ注意してみたほうが良い部分は、

治癒できなかった時の取り扱いが自然退職なのか解雇扱いなのかというところです。

 

例えば、制度的に『1年経過して治癒しなかった場合は自然退職』と

『1年経過して治癒しなかった場合は解雇とする』では

もらえる基本手当(失業保険)の日数が違ってくる可能性があります。

 

とくに勤続年数がある程度長い場合は大きな差となってきますので、

あらかじめ確認してもらえるお金がいくらか確認をしておいた方が良いでしょう。

 

 

さて。そんなうつ病をはじめとした精神的疾患ですが、

再発というのが本当に良くあります。

メンタルヘルス関連の書籍にも再燃・再発が話題としてよく挙げられています。

 

実際、会社を休職した場合にも一番問題となるのは

1回目の休職ではなく再発があった2回目の休職ではないかと思います。

 

会社の休職規定にも必ず

『1回目の休職が明けて連続何か月、または何年以上連続で勤務したこと』

といったようなクーリングオフ規定が設けられているかと思います。

そして、そんなクーリングオフ規定が傷病手当金の制度の中に組み込まれています。

 

私も1回休職して回復したものの再発して、

その際は退職をしたという社員の方の傷病手当金受給に関して

協会けんぽなどにいろいろと聞いて回ったことがありました。

 

その時は、結論から言えば受給申請却下でした。

理由は『治癒していないから』ということです。

 

「1回目に休職したときのうつ病が完治したわけではなくて、

その時のうつ病がまた悪くなっただけのことだから、

その時傷病手当金の受給期間は満了していますよね。」

と、こういう理屈でした。

 

傷病手当金は最初にもらった日から数えて1年と6か月の間に受給します。

確かに1回目から数えてしまうととっくに1年6か月は経過してしまっていました。

 

なんだか納得できず、また別の社労士さんにも相談してみると、

「うつ病は再発がとても多くて、

1回目の受給後、2回目の受給まで期間がかなり長ければ

『社会的治癒』と言って『治った』という扱いをしてもらえるけど、

基本的にはうつ病は『治らない』という形で捉えているみたいですよ。」

と教えてくれました。

 

「『社会的治癒?』『期間がかなり長ければ』って、どのくらい?」

いろいろな疑問が頭の中をぐるぐる回ってしまいます。

つい質問攻めにしてしまいました。

その結果を以下に記します。

 

社会的治癒とは、

医学的に治ったとは言えないけれども

前の病気と後の病気を同じと取り扱ってしまうと患者さんに不利になってしまう場合、

前の病気を『治った』として取り扱う事です。

 

傷病手当金の場合は前の病気と後の病気が連続していると取り扱われてしまうと

2回目がもらえなくなってしまいます。

だから、治ってないけど治ったと取り扱ってくれるのです。

 

でも、私が申請したときはダメでした。

それは間の期間(クーリングオフ期間)が短かったからでした。

ちなみに、期間の問題と、通院も服薬も一定期間以上途切れていることも必要とのことです。

 

ただし、怖いのは期間が文章で明記されているわけではなく、

個別の事案に合わせて別個に判断されてしまう事です。

 

ですので、どれだけ期間が空いていれば大丈夫とこの場で名言はできません。

また、通院と服薬が無いということについても、

どの程度の期間、どの程度のことを求められているのかは個別に判断されてしまいます。

 

もし、精神的疾患で2度目の傷病手当金受給をお考えであれば、

ぜひ申請前に専門家(社会保険労務士)に相談されることをお勧めします。






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