精神疾患における傷病手当金の利用

傷病手当金の制度について、

特に知っておいていただき、利用していただきたいのは、

精神疾患で休職中の人です。

 

現代において、うつ病などの精神疾患を抱えている人は、実は意外と多いのです。

病院に通院しなくてはいけない、薬を飲まなくてはいけない、

そのような状況になっているにもかかわらず、

「自分が甘えているのではないか」と思い詰めてしまっている人も少なくありません。

 

医者から休職を勧められ、会社に診断書を提出し、実際に休職に入ったはいいものの、

通院にお金はかかるし、いつ復職できるか分からない・・・。

そんな不安と戦っている人にこそ、少しでも金銭的不安を解消するためにも、

この制度を利用していただきたいのです。

 

ここまで強く勧めるにはいくつかの理由があります。

まず、精神疾患の治療には長い時間が必要だからです。

 

現代の精神科での治療の中心は投薬治療です。

まず、患者さんに合った薬を見極め、

継続して服用することでだんだん効果があらわれ、症状が改善されていきます。

 

風邪の時に処方されるような薬と違い、

精神科で使われる薬の多くは、効果があらわれるまでに数週間から数ヶ月かかることが多いです。

 

また、良くなったからといって、すぐに薬をやめることはできません。

継続して服用し、医師の判断で徐々に減薬していき、最終的に0にしていきます。

 

服用を開始してから薬を飲まなくなるまで、10年以上かかる人も珍しくありません。

骨折などの怪我とは異なり、「いつ治療が終わるか」

「いつ復職できるまで身体が回復するか」分からないのです。

 

うつ病などは、真面目な人ほどかかりやすいとも言われています。

ただでさえ、自分が休職することにより周りに迷惑をかけているのではないか

という罪悪感や早く復職しなければという焦りを抱えています。

こういった方ほど、働いていないのにお金をもらっていいのだろうか・・・と考えてしまいます。

 

しかし、傷病手当金の制度を利用し、少しでも経済的不安をなくすことも大事な治療の1つです。

 

傷病手当金の受給は悪いことではありません。

きちんとした制度です。

どうしても気になるのであれば、身体が回復してから、十分会社に恩返しをしてください。

 

そして、精神疾患のもう1つの特徴として、「完治」はない、ということがあげられます。

症状が改善し、働けるようになった=完治ではないのです。

「寛解」といわれています。

 

例えば、会社での過重労働が原因でうつ病になってしまったとしたら、

復職後も同じ環境で働いていたらまた同じ状態になっても不思議ではありません。

 

もし環境が改善されたとしても、何がきっかけで再発するか分からないのが精神疾患です。

そのため、もし復職したとしても、再発し、また休職する可能性もあります。

 

精神疾患は、治すというより、付き合っていく病気と考えるのが良いかもしれません。

症状が改善し、復職が見えてきたら、復職まではどのようなことをすれば良いのでしょうか。

 

まず、復職の時期については、主治医と会社の上司と十分に相談する必要があるでしょう。

会社の人員配置などもそうですが、会社の繁忙期に復職するというのは避けた方が良いでしょう。

 

また、症状が改善してきたら早く復職したいと焦りがちですが、

無理をして再発してしまう方が大変です。

焦らず、本人にとっても会社にとってもベストなタイミングを見極めていきましょう。

 

復職後の就業時間についてもあらかじめ相談しておいた方がいいでしょう。

残業が多いと、精神的にも身体的にも疲れてしまい、再発してしまう可能性もあります。

また、会社の制度にもよると思いますが、時短勤務が可能であれば、まずは時短勤務から始め、

慣れてきたらフルタイムでの勤務に移行した方が負担が少なくて済むでしょう。

 

復職の時期や復職後のビジョンが見えてきたら、

休職中に低下してしまった体力を元に戻すことをしていきましょう。

 

精神疾患の場合は、多くの場合、まずは家でゆっくりすることを勧められます。

まずはじっくり休養をとることが大切だからです。

 

症状として、起き上がる気力もない、という人も少なくないでしょう。

そのため、自分が思っている以上に体力は低下しています。

 

元気な時は意識していなかったかもしれませんが、

外に出て人目にさらされることや仕事をするということは、想像以上にエネルギーが必要です。

物事を考える・人と会話をする・気を遣う・・・などなど、

休職中の何倍ものエネルギーが必要になります。

 

1つの方法としては、実際に会社に行く場合を想定して、

「同じ時間に起きて」「同じ時間に活動する」ことです。

同じ時間に起きて、同じようにご飯を食べて家を出る、

家を出たら散歩をしたり、図書館に行ったり、

近くのカフェに行ったり、同じ時間に活動をすることが大切です。

可能であれば、読書をしたり勉強するなど、ある程度集中力や思考力が必要なものが良いでしょう。

 

例えば土日休みの仕事の人なら、月曜日から金曜日はそのように活動し、土曜日・日曜日は休む。

なるべく仕事をしている時に近い環境を作ってみてください。

 

会社が原因でうつ病になってしまった場合は、

「会社に行く」という行為そのもののハードルがかなり高いでしょう。

その場合は、出社時間と同じだと会社の人に会ってしまう可能性もあるので、

時間をずらして、会社の近くや会社の最寄駅まで行くということをしてみてください。

それができれば、復職への自信にもつながるはずです。

 

逆に言えば、上記のようなことができるようになれば、

復職を考えてもいい時期と判断してもいいのではないでしょうか。

 

病気、特に精神疾患は、「いきなり治る」ものではありません。

「休む」ことも立派な治療の1つです。

金銭的に厳しいから早く復職しなければ、と焦るのではなく、

傷病手当金の助けを借りながら、しっかり治療していきましょう。






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