退職=マイナスではない

私は以前、学習塾に勤めていました。

仕事自体はすごくやりがいがありましたが、労働環境は最悪でした。

 

教育業界はそもそも「労働時間」に関する基準が曖昧です。

会社の定めた定時は一応13:00~22:00となっていましたが、

研修や会議は9:00から行われ、授業自体も22:00まであるので

事務処理や採点・翌日の準備等をするのは自然と時間外になり、

帰宅するのは平均して午前2時頃でした。

 

夏休みや冬休みの長期休暇中は、一日15コマ授業をすることもあり、

休憩時間もありませんでした。

そして、タイムカードが存在していなかったので、

もはや「時間外」という概念がない会社でした。

もちろん残業代はなしです。

 

辞めたいと思うことは何度もありましたが、上司に相談する度に

「お前を慕ってくれている生徒を見捨てるのか?」

と言われ踏ん切りがつかずにいました。

 

私のいた会社は持ち上がりで担任をします。

そのため入社時中学2年生を受け持ち、

その子たちと一緒に学年を上がってきた私には、上司のその言葉がとても重く感じました。

 

結局その後も仕事を続け、入社して5年目に生徒たちは高校3年生になりました。

今まで一緒に頑張ってきたことで、生徒や保護者の方との信頼関係も構築されました。

本人の希望・夢を叶えるため、必死に努力し、努力させてきたつもりでした。

 

しかし、ここで退職を決意する問題が起きます。

それが、会社の「合格実績主義」でした。

つまり、生徒の志望を叶えたかどうかではなく、

ネームバリューのある大学にどれだけ合格させられるかを会社は重視していたのです。

生徒のことなど考えず、合格実績をつくるための

駒のように扱われている気がしてすごく不快でした。

 

私が担当したとある優秀な男の子は、関東の私立大学を志望していました。

その大学では、ほかの大学にはない特殊な研究を行っており、

彼はその研究をしたいと志望していました。

偏差値としてはまだ上の大学も目指す余地はありましたが、

彼の意思を尊重したいと保護者も私も思っていました。

 

しかし、上司からは「某国立大学に進路変更させるべきだ」と指示されました。

その某国立大学はネームバリューは高かったものの、彼がしたい研究は扱っていませんでした。

その旨を上司に伝えましたが、「目指せる学力があるなら変えさせろ」の一点張りでした。

 

とても悩みましたが、今まで5年間一緒に頑張ってきて、

どうしてその道に進みたいのかも真剣に話してくれていましたし、

私は彼の意思を尊重することにしました。

結局彼は第一志望に合格し、現在は興味のあった研究に没頭しています。

 

彼だけでなく、多くの生徒が会社の勝手な都合で志望変更されそうになりましたが、

変えさせませんでした。

 

会社に所属している以上、会社や上司の意向には沿うべきだとは思います。

しかし、一人の教育者としてやっぱり生徒のことを思うと、私にはできませんでした。

 

その後、私は上層部に呼び出され、長時間に渡り叱責されました。

そのとき、もうこれ以上この会社では頑張れないと感じました。

さらに辞意を伝えると「教育者として責任感がなさすぎる」と罵倒され、

社長にも呼び出されました。

 

社長と様々な話をする中で、退職を決意した決定的な一言がありました。

それが、「私の娘がこの会社で働きたいと言ったら、全力で止めると思う。

親としてはこんな働き方してほしくないだろう」

という一言でした。

 

今まで家に帰っても仕事か寝るだけ、休日出勤も当たり前、

プライベートの時間がなくても生徒のためと思って頑張ってきたのに、

社長がこんな考え方だったのかと涙が出てきました。

 

翌日社長に辞表を提出し、私は退職しました。

現在は違う形で教育に携わっています。

 

当時担任をもった生徒や保護者からはいまだに連絡がきます。

もちろん第一志望に合格できなかった生徒もたくさんいますが、

口を揃えて「受験させてくれてありがとう」と言ってくださいます。

もし志望校を変更していたら、もっと大きな後悔をしたと思うとも言ってくれました。

 

私は会社の方針には逆らいましたが、自分のやったことに後悔はありません。

そして、5年間耐えて転職した今、その経験は活かされていると感じています。

辞めた直後は、退職=マイナスなことだと思っていました。

しかし、今となってあの退職はプラスなことだったと思います。






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