派遣でも傷病手当金が受給できたけど・・・!

グキッ!!!

 

明らかに違和感のある音が腰のあたりで鳴り、わたしの耳にははっきりと聞こえた。

私は工場で勤務する35歳。派遣労働者だ。

派遣労働歴は1年。

去年の秋口から社会保険にやっと加入できた。

 

私は違和感のある腰をかばいながらもなんとか仕事を続けようとするが、

徐々に徐々にその痛みは増していく。

夜になるともう、歩くのがやっとというレベルにまで痛みが増していた。

 

あまりいい顔をされない中で急遽派遣会社から休みをもらい、

私は近所の病院へと向かう。

痛いのを我慢しながら一歩一歩、病院へと進んでいった。

 

診察がありレントゲン撮影を終え、医師の言葉を待つ。医師はついに口を開いた。

「これは、腰椎分離症だね。要は骨が外れたんだよ。これだと暫くは工場勤務は難しいね」

暫く仕事ができなくなる。私は青くなった。

 

「なるほど……それだと暫く出勤は無理だね」

派遣会社の人からはそう言われる。

そして、「傷病手当金、取る?」

私はそう尋ねられた。

 

傷病手当金は聞いたことがある。

社会保険加入の人の場合、毎月の標準報酬月額の6割くらいを受け取れるシステムだ。

「取ります」

私は腰の痛みに耐えつつ力なく言った。

 

それから1ヶ月。私は毎日のように病院へ通ってリハビリの日々が続いた。

なかなか治らない腰の痛み。

だが、通い続けなければ何も変わらない。

毎回の医療費もチリも積もればというもの。馬鹿にはならない。

しかし、痛いものは致し方ないわけで、私はやはり病院へと通い続けた。

 

私はしがない一人暮らしのオッさんだ。

貯金はあっという間になくなっていった。

 

ある日、私の友人から電話が来た。

「実は今事務職の人員を探しているんだ。うちで働かないか?」

腰の痛みは治る気配はなく、工場での勤務はこのままではやはり難しそうだ。

私は渡りに船だと思い、その提案に乗っかった。

 

腰の治療もひと段落し、派遣会社への退職手続きも済ませた。

これで傷病手当金を貰って、何とか新スタートを切れる。

私はそう信じていたが、本当に大変なのはこれからだった。

 

 

傷病手当金がいつまで経っても入ってこない!

新しい職場へと入ってから2週間。

私は前の派遣会社には当然傷病手当金の書類は全て送付している。

そこで会社側に色々記入してもらってから役所に提出され、審査の末に振り込まれる、

というのが本来の一連の流れだ。

私は不安になり、協会けんぽに一本の電話を入れた。

 

「私の傷病手当金、どうなってますか?」

私はそう尋ね、本名、住所、控えていた前の会社の保険証番号を告げる。

暫く待たされ、窓口の男は信じられない一言を放った。

 

まだ届いてませんよ

えっ?

 

「私、2週間も前に会社に提出しましたよ?書類」

「そうなんですか。でもこちらには届いていないです。

ですから、その前の会社に問い合わせてもらわないとなりませんね」

 

そんな馬鹿な!と私は思ったが、電話口の人の困った口調を考えると、

本当に起こっていることなんだろう。

 

私は事実確認をすべく、前の派遣会社に続けざまに電話を入れた。

暫くして、人事の担当者が電話に出た。

 

「私の傷病手当金の申請、どうなっていますか?2週間も前に出しているんですが」

私がそう疑問をぶつけると、

はい。今ここにありますが

担当者がそう答える涼しげな声に私は耳を疑った。

私にとっては死活問題なのに、この人はどんな神経をしているんだ?

 

「早く出してもらえませんか?」

私はイラつきを抑えながらそうお願いする。

すると、担当者は信じられないことを言った。

出せないんですよ。この書類

 

出せない?

私は頭が混乱し始めた。

そのとき、電話口の男がまた口を開いた。

 

「うちの会社、勤務のシメが月末で、翌月払いじゃないですか。

まだ先月の給料も勤怠も確定データがないんだ、書類が書けないんですよ。

いくらあなたが1日も出勤してないと言い張ったとしても、

こっちにはまだデータが出揃ってないから、役所への証明ができないんです。

ま、あと1週間もあったら書けますけど」

 

開いた口が塞がらない。なんて融通の利かない会社なんだ。

私はふつふつと沸き立つ怒りを抑えながら電話を切った。

 

会社から書類が郵送されて1週間、それから審査で2週間。

あと3週間も待たないといけないのか。

私は気が遠くなった。

 

3週間後。傷病手当金はまだ下りない。

うちの会社の給料は翌月払いなので先月は完全に無給での勤務になった。

もう限界だ。

財布の中身も、私の堪忍袋も。

私は協会けんぽに電話をかける。

 

「傷病手当金、まだおりませんか?」

私がそう告げると、電話口からは極めて事務的な返答がきた。

「はい。書類は受理しましたが」

次の言葉を聞いて私は全身から血の気が引くのを感じた。

 

ご自宅にご返送しています

「えっ?なんでですか!?」

「診断書に、あなたの名前が書いていないんです。

お医者さんに、書いてもらってきてください。

それをこっちに届けてもらってから1週間から10日で振り込みます」

そんな!私は何も悪くないのに。

 

私は仕事終わりにわざわざその病院に出向く。

そう。私の名前を書いてもらうためだけに

そしてその10日後、やっと私の傷病手当金は振り込まれた。

 

腰椎分離症になって1ヶ月、申請してから振り込まれるまでおよそ2ヶ月、

傷病手当金はその3ヶ月間の無収入をどう過ごさせるためのシステムなのだろうか?

私は今でもその答えを知りたい。






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